シニア世代に多い病気について

日本人の平均寿命は延びていますが、健康寿命との差は開く一方で、病気によって介護が必要になる高齢者は後を絶ちません。高齢者に多い病気として挙げられるものの中でも、介護に密接に関わっているのが「認知症」です。認知症は、高齢者が介護を必要とするときの原因のトップになっており、男性よりも女性の方が発症しやすいと言われています。認知症は今のところ治療方法はありませんが、早期発見を心がけ、薬の服用やリハビリを行うとことで進行を抑えられるので、日ごろから高齢者の様子を観察することが、早期発見のポイントになります。

ちなみに、認知症と似通った症状が出る病気として、「老人性うつ病」が挙げられます。認知症の症状はゆっくりと進行しますが、老人性うつは短期間にいろいろな症状が出るため、周囲も気づきやすい病だと言われています。老人性うつ病は、薬である程度改善できるほか、周囲の接し方を工夫することで改善が見込めます。ただし、老人性うつ病は、叱咤激励するのではなく、前向きになれるようなことを話すことが治療のポイントになると言われています。

それから、冬場に多い「脳血管疾患」は、男性の高齢者に多い病気だそうです。体の半分に麻痺が出たり、言葉が不明瞭になるなどの脳梗塞の症状が一時的にでも出たら、すぐに救急車を呼ばなければならないほど深刻な病気です。早めに専門的な治療を開始すると、重篤な後遺症を防ぐことができるので、こちらも家族や介護職の観察力が病気の早期発見につながります。また、この病は生活習慣が原因で発症することもあるため、健康的な生活を送ることも大切です。